2011-01-01から1年間の記事一覧

エネルギー基本計画(2)原発事故の影響

エネルギー基本計画(第二次改定)の「第3章.目標実現のための取組」では、第2章で掲げた2030年に向けた目標を実現するための各種取り組みが合計10の節にわたって述べられています。 第1節.資源確保・安定供給強化への総合的取組 第2節.自立的かつ環…

エネルギー基本計画 (1)2030年目標

2011年4月4日、経済産業省は、3年ごとに策定しているエネルギー基本計画について、次期計画を1年程度前倒しし、早ければ24年3月末までにも策定することを発表しました。これまでの原子力を軸としていたエネルギー政策を抜本的に見直すことになりそうで…

金を巡る物語

(2006年12月執筆)遅ればせながらフェルディナント・リップス氏著作の『いまなぜ金復活なのか』を読みました。リップス氏は1931年スイスに生まれ、チューリヒ・ロスチャイルド銀行(Rothschild Bank Zurich AG)の設立に参画、マネージング・ディレクターを…

カドゥーリ家とモカッタ家(2)モカッタ家

ネイサン・ロスチャイルドとモカッタ家 ロスチャイルド商会創設者のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルド(1743-1812年)の三男ネイサン・ロスチャイルド(1777-1836年)が1804年に27歳でイギリス・ロスチャイルド商会を創設したとき、ロンドン・シティは数…

カドゥーリ家とモカッタ家(1)カドゥーリ家

百万ドルの夜景を支える香港財閥 アジアのパワーマーケットは、この十数年で急拡大することが見込まれており、IEAの試算によると、2020年のアジアの発電容量は、2000 年時点の約2倍になると予想されています。実際に、中国の発電容量は、この数年、5,000万…

日本の教育史(1)江藤新平

今日は、東京大学の初代学長となった加藤弘之と、加藤とともに日本の教育制度の先鞭をつけた江藤新平について、まとめてみたいと思います。初代学長・加藤弘之 以前に東京大学の起源が大学南校と大学東校にあることをお話しましたが、両校が合流して1877年(…

近代日本と欧米諸国(5)対日投資会議

(2006年10月執筆)「拒否できない日本」の著者である関岡英之氏が、年次改革要望書関連の著作第二段となる「奪われる日本」を今年の八月に出版しました。 奪われる日本 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061498533 第1部 検証「平成の大獄」 −郵政、そ…

近代日本と欧米諸国(4)原子力発電

前回に引き続き、有馬哲夫氏の『原発・正力・CIA』をベースにメディアのお話、特に原発とメディアの関わりについてお話したいと思います。まずは、『原発・正力・CIA』の内容をお伝えするため、同著の一部をご紹介します(以下、特段の断りがない限り同著よ…

近代日本と欧米諸国(3)メディア

今日は、「原子力の父」と称される正力松太郎を中心に、日本初の民間放送会社である日本テレビ開局を巡る当時の状況をまとめながら、メディアが持つ世の中に対するインパクトについて、少し考えてみたいと思います。三つの称号を持つ男「プロ野球の父」の称…

近代日本と欧米諸国(2)東京大学

続いて近代日本の形成に大きな影響を及ぼした東京大学の設立前夜のお話をしたいと思います。多くは、立花隆氏の『天皇と東大』に拠ります。江戸時代後期の教育水準 −寺子屋・藩校東大設立の話に入る前に、当時の日本の教育水準について簡単に振り返ってみた…

近代日本と欧米諸国(1)坂本龍馬

今日から欧米諸国がどのようにして近代日本に影響力を及ぼしてきたのかについて、これまで書いてきたブログをもとにトピック的に紹介したいと思います。まずは、明治維新を牽引した坂本龍馬からです。大部分は、加治将一氏の『あやつられた龍馬』からの引用…

石油の歴史(4)エネルギーセキュリティを追い求めたフランス

フランス石油会社(CFP)の一環操業体制確立 1924年に設立されたフランス石油(CFP)は、トルコ石油を通じて獲得した豊富な石油資源が円滑に国内で流通するよう、国内の石油産業をリストラクチャリングすることも期待されました。 この目的のため、CFPは早速…

石油の歴史(3)国際石油メジャーと闘ったイタリア

今回は、イタリアの石油メジャーであるENIについてまとめてみたいと思います。最初は、ENIつながりでENELを調べたら何か面白いことがあるかなと思って調べ始めたのですが、エンリコ・マッティという人物に出会い、イタリアとロシアの歴史的な関係、国際石油…