2009-01-01から1年間の記事一覧

キャロル・キグリー教授

まだ、「21世紀の国際関係」が終わっていないのですが、次々回以降から、キャロル・キグリー教授の『悲劇と希望(Tragedy and Hope: A History of the World in Our Time)』をつまみ食い的にご紹介したいと思います。そこで、今日は、キャロル・キグリー教…

21世紀の国際関係 −開戦前夜

前回、「次回は、ジョージ・フリードマンが21世紀の大きな節目として描いた世界大戦(宇宙大戦)を物語風に紹介したいと思います」と締めましたが、一度、2040年まで各国の状況をおさらいしておきたいと思います。米国覇権の世紀 過去500年続いた北大西洋を…

21世紀の国際関係 −分断から拡大の時代へ突入するポーランド

今回は、ジョージ・フリードマンが、日本、トルコと並び21世紀に新興勢力としてその台頭を予想したポーランドについて見ていきたいと思います。いきなりポーランドに焦点を当てる前に、ジョージ・フリードマンの欧州観からご紹介しましょう。 一つになれない…

21世紀の国際関係 −戦争の宇宙化

今回は、21世紀の戦争がどのようなものになるのかを見ていきたいと思います。まずは、20世紀の戦争のレビューから始めましょう。20世紀の戦争 −低い命中率がもたらした戦争の「全体化」 第一次世界大戦、第二次世界大戦の大きな特徴は、戦争が「全体化」され…

21世紀の国際関係 −トルコ再び(2010~40年代)

少し時間が空きましたが、引き続きジョージ・フリードマンの「The Next 100 Year」をベースに21世紀の世界を見ていきたいと思います。欧州を中心に米露間で繰り広げられる第二次冷戦、米国の支援を受けたトルコは、その軍事的な存在感を飛躍的に増大させます…

21世紀の国際関係 −方向転換を迫られる日本(2020~40年代)

2020年代にロシアと中国が自壊することによって、ユーラシア大陸は混乱の時代を迎えます。以前に触れたよう、この時代に三つの新興勢力が台頭します。日本、トルコ、ポーランドです。いずれも対ロシア、対中国の観点から米国が積極的に支援を行っていた国々…

21世紀の国際関係 −五十年周期説と2030年の米国

今回は随分と長くなってしまいましたが、2020~30年代の米国に関するフリードマンのシナリオをご紹介したいと思います。フリードマンの発想の原点は、五十年周期説です。米国は、建国以来、五十年周期で社会構造の変化に端を発する政治的な転換期を迎えてきた…

21世紀の国際関係 −張子の虎 (〜2020年)

前回に引き続き、反米陣営の主力と目されている中国について、ジョージ・フリードマンの見解を紹介したいと思います。 三つの将来シナリオ 中国に関しては、三つの将来シナリオを想定することができます。一つは、これまでと同様の驚異的な経済成長を継続す…

21世紀の国際関係 ―第二次冷戦(〜2020年)

今回と次回で、反米勢力の中心と目されているロシア及び中国が2020年までに自壊するというフリードマンのシナリオをご紹介したいと思います。 ★ロシアの復活と自壊 ロシアは、深刻な人口動態的な問題と地政学的な問題を抱えています。まず、ロシアは、他の先…

21世紀の国際関係 −序章

最近読んだ本の中で、ジョージ・フリードマンの『The Next 100 Years: A Forecast for the 21st Century 』がとても面白かったので、皆さんに紹介したいと思います。彼は地政学の専門家で、STRATFOR(http://www.stratfor.com/)という国際関係のシンクタン…